
「医療用ウィッグをつけていることは、周りの人にバレたくない」といったお悩みは、なかなか相談しにくいかもしれません。ウィッグがバレやすい原因や対策、自然に見える被り方について解説します。他社ウィッグの調整やご相談などを行ってきた、医療用ウィッグを専門的に扱う美容師の視点でお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
「医療用ウィッグをつけていることは、周りの人にバレたくない」といったお悩みは、なかなか相談しにくいかもしれません。ウィッグがバレやすい原因や対策、自然に見える被り方について解説します。他社ウィッグの調整やご相談などを行ってきた、医療用ウィッグを専門的に扱う美容師の視点でお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
医療用ウィッグを買ったのはいいものの、実際被ってみると不自然に感じることがあります。ウィッグがバレるのでは?と心配せずに日常生活を送るために、そもそもウィッグがバレやすい原因を具体的に知っておくと役立つでしょう。ウィッグを選ぶ際は、以下の3点に気をつけるようにおすすめします。
このような状況に陥らないためにも、ウィッグを購入する際は、専門サロンやお店でフィッティングを行い、細部まで確認をしてもらうのが望ましいでしょう。もともとのヘアスタイルよりも長いものは、周囲の人に不自然に思われてしまうため、避けることをおすすめします。また、サイドやバックは自分では見えないものの、他人からは目に留まりやすい箇所なので、フィットしているかどうかをチェックしてもらうことが大切です。
髪の毛の色やテカリが不自然
ウィッグを被って鏡を見ると髪だけ浮いて見えるのは、着用したウィッグの髪質がご自身の髪質とは異なり、テカリが強くでているからかもしれません。まずはご自身の髪色やツヤを観察し、なるべく近いウィッグを選びましょう。人毛に似せて作られた化学繊維毛のウィッグは、人毛ウィッグに比べ、どうしても質感に違和感が出やすい傾向があります。化学繊維毛を選ぶ場合は、テカリやツヤが不自然なものは極力避け、できるだけもとの髪色に近い、自然な髪色のものを選ぶのがポイントです。
毛量が多すぎたり少なすぎたりする
顔の大きさに対して毛量が多すぎたり、少なすぎたりすると不自然になってしまいますので、調整が必要です。ウィッグではなくても、ご自身の髪型に悩みがあれば美容師に相談し、髪が多ければ梳いてもらい、少なければ髪型を変えてボリュームを出すのではないでしょうか?
ウィッグでも同じことが言えます。ウィッグを扱う専門のサロンやお店に行けば、専門家の視点からアドバイスをもらい、ご自身の顔の形や大きさに合った毛量はどのくらいなのかを知ることができるはずです。ウィッグのプロに相談して、調整やスタイリングをしてもらいましょう。ウィッグから地肌が透けて見えてしまうと困るので、ボリュームが多いほうがいいと考える方が多いようです。でも実際には、毛量の多いウィッグは不自然に見えやすいので注意してください。特に毛先は薄くなっているほうが地肌にもなじみ、見た感じが自然になりやすいでしょう。
ウィッグが周囲の人にバレてしまう主な原因について知ることができました。ここからは、ご自身が実際にウィッグを選ぶとき、被るときのポイントについて見ていきましょう。
医療用ウィッグが必要になり、いざネットやカタログで見てみても、材質や形などの種類が多すぎて迷ってしまう方は多いようです。また、買った後に自分で上手にセットができるか不安、といった不安がある方もいらっしゃいます。「周りにバレないウィッグ」にするために、ぜひ押さえておきたいポイントを詳しく解説します。
あまり気にせずにウィッグを選んでしまうと、不自然なほど真っ黒で、日本人形の髪のような仕上がりになってしまうかもしれません。なるべくご自身の本来の髪色に合った、自然な色のウィッグを選びたいところですね。 後ほど触れますが、ウィッグには、人毛、化学繊維毛、人毛ミックスの3種類があります。人毛のウィッグであればカラーリングできるため、ご自身のイメージにより近い髪色にカラーリングして微調整してもよいでしょう。
しかし実はそれだけでは、ウィッグの後頭部や首部分の生地が余ってしまい、全体的なバランスが悪くなることがあります。サイズの合わないウィッグを被っていると不自然に見えるだけではなく、ズレが生じやすくなりますし、自分としても被り心地がよくないので嫌な思いをするでしょう。 そんな時はひとりで悩まず、ウィッグ専用のサロンやお店に相談し、その時のご自身の頭の形やサイズ、毛量に合わせてウィッグを作り変えるのがベターです。無理に自分で合わせずに、プロを頼りましょう。必要に応じて手縫いするなどして、細かいところまで正確に調整できます。
人毛ミックスのウィッグを選択
「自然な髪色のウィッグを選択」の項でも述べましたが、ウィッグには人毛、化学繊維毛、人毛ミックスの3種類があります。本記事でおすすめするのは、人毛ミックスのウィッグです。最近ではテカリを抑えた化学繊維毛も出ていますが、髪の色味が不自然だったり、不自然なテカリがどうしても目立ったりすることがあります。特に太陽光に当たったときに差がつくため、お店や家の中で見たときは大丈夫だと思っても、実際に被って外に出てみると違和感が出てしまうことが少なくありません。
一方、人毛は他の毛材に比べると価格が高く、スタイリングやケアに手間がかかります。医療用ウィッグは基本的に体調の悪いなかで使うものですから、身体的な負担はできるだけ減らしたいものです。
こういった現状を踏まえると、双方の欠点を抑えて、長所を生かした人毛ミックスのウィッグがやはりおすすめです。人毛ミックスは、一般的に化学繊維毛に人毛が20~30%混ざっているものを指します。化学繊維毛に人毛を混ぜることで、自然なツヤが出て、髪の質感も自然になります。それでいて、スタイリングやケアの仕方は、化学繊維毛の場合と似ていて、水に濡らしても乾きやすく、それほど手間もかかりません。
なお、使用する化学繊維毛には、耐熱のものや形状記憶のものもあります。耐熱であればアイロンが使えたり、形状記憶であればスタイリングが簡単だったり、といった特性がありますので、どのような素材を用いているのかも確かめてから選ぶようおすすめします。
自然な毛量に調整
ほとんどの方は、毛量がもっと欲しいからウィッグを買うものです。でも、ウィッグは毛量が多ければ多いほどよいというものではありません。透けるのが心配なので毛量を多くしてしまうと、ご自身の頭とウィッグのバランスが合わず、不自然になってしまいます。ご自身に合った毛量のものを選びましょう。
また、全体の毛量とともに毛先の調整も必要です。パツンと切りそろえた毛先よりも、ある程度バラバラと、動きをつけた毛先のほうが自然に仕上がります。毛量や毛先のアレンジについては、ウィッグ専用サロンやお店で相談することをおすすめします。
傷んだウィッグを利用しない
ウィッグには寿命があります。一般的に言われているのは、1~2年程です。もし、寿命を無視して使用してしまうと、毛が絡みやすくなったり、退色してしまったり、化学繊維毛の場合は毛先がチリチリになってしまったりと、デメリットしかありません。傷んだウィッグは悪目立ちし、不自然に見えるものです。周りの人にバレないためにもウィッグの寿命を意識しましょう。状況によっては買い替える必要があるかもしれません。
でも、決してお安くはない医療用ウィッグですので、できるだけ長く使用したいと考えるのは自然なことです。人毛ウィッグであれば、定期的にトリートメントをすることで、なるだけ長く美しくウィッグを使用できます。自分の髪をいたわるように、メンテナンスを怠らずに行っていきましょう。
当人はそれほど意識することはないかもしれませんが、お辞儀をする時、階段を降りる時、電車や職場で座る時など、普段の生活で頭皮が他人の目に入る機会は意外と多くあります。そのようなときに、すぐにウィッグだと気づかれにくくなるための重要なポイントが、人口頭皮があるかどうかなのです。
自然なウィッグが選べたら、次は被り方にも注意しましょう。医療用ウィッグを使用する方の多くが陥ってしまうのが、ウィッグを深く被ってしまうというものです。 「前がしっかり隠れていた方が安心」「深めに被っていないと落ちそうで心配」という気持ちは理解できますが、前の方に深く被ってしまうと、おでこが不自然に狭くなり、つむじの位置もおかしくなり、不自然に見えてしまいます。
では、どのような深さで被るのがよいのでしょうか?基本的には、ご自身の前髪の生え際に合わせて着用しましょう。または、一般的におでこの広さは6~8cmの方が多いので、眉から6~8cm程度離れた箇所に合わせて着用するのもおすすめです。 こうすることでより自然な形でウィッグを着用できるはずです。被る際にはぜひ注意してみてくださいね。
あまり意識したことはないかもしれませんが、もみあげは髪型の印象を左右する重要なパーツです。髪の毛を耳に掛けた時や、かきあげた時によく目に入る部分でもあります。 ウィッグの場合も、同じです。もみあげが浮いていたり、長すぎたり、濃すぎたりすると全体の違和感に繋がります。一般的には毛が薄く、短い方が自然な仕上がりになります。ただ、もみあげ部分が浅すぎると脱げやすくなってしまうので、フィッティングの際に自然さと着用感をしっかり見てもらうことをおすすめします。
ウィッグのもみあげで注意をするポイントは、薄さ、長さ、深さの3点です。とはいえ、自分ではちょうどよい加減を判断しにくいかもしれません。ウィッグ専用サロンやお店のスタッフに聞いてみましょう。
つむじの位置を調整する
つむじについても考えてみましょう。「人工頭皮付きウィッグを選択」の項でも触れましたが、日常のさまざまな場面で人の頭皮が目に入ることがあります。その中でも、つむじ部分は頭皮が露出しているので、特に目に入りやすいものです。そのつむじが、あまりにも規則的すぎたり、毛の間隔が詰まりすぎていたりすると、不自然に見えてしまいます。
周囲の人から違和感を持たれないようにするため、購入する際は、つむじの状態もチェックしましょう。具体的には、毛の根本が立ち上がっていて、立体的なつむじになっているものが理想的です。
また、ご自分でウィッグを被った際には、つむじが頭頂部のほぼ真ん中の位置に来ているかどうかを確認してください。ご自分でウィッグを取り付ける過程で、もともとつけようとしていた位置からズレてしまうことも見受けられます。つむじは目立つので、少しでも脇にズレてしまうと不自然な印象を与えかねません。
ブラシで手入れする
髪の毛と同様に、ウィッグにも毎日のケアが必要です。ウィッグの絡まりを防いで、より長持ちさせるために、着用前と着用後には必ず丁寧にブラッシングしましょう。また、ブラッシング時には、ウィッグ専用のオイルスプレーを全体に吹きかけることで滑りが良くなり、ブラッシングしやすくなります。ウィッグ専用サロンやお店で購入可能ですので、ウィッグと一緒に購入しておくことをおすすめします。
ブラッシングの手順も大切ですので、ご紹介します。
【ブラッシングの手順】
①オイルスプレーをウィッグ全体に吹きかける。
②毛先から優しくブラッシングする。
③中間部分をブラッシングする。
④トップから全体の順にブラッシングする。
なお、ブラッシング時に絡まる部分を無理に引っ張ることは厳禁です。オイルスプレーを追加して優しくブラッシングしましょう。いつも絡まりやすくなったと感じる場合は、ウィッグ専門の美容師に相談しましょう。
毎日のケア次第で、ウィッグの寿命が決まります。少し手間はかかりますが、毎回着用の前後には以上の手順でブラッシングを行ってくださいね。
ウィッグの材質や髪色、自然に見えるための被り方などについて詳しく触れてきましたが、バレるのではないか、という悩みや不安を少しは解消できたでしょうか。
ウィッグと付き合っていく上でまず一番大切なのは、ご自身に合うお店やサロンに出会うことです。エデューでは、無料でカウンセリングやご試着ができ、お客様に合ったウィッグのご提案からウィッグのスタイリングまで、サポートさせていただきます。
適切なウィッグを選び、その上でご自分に似合うようにアレンジしてもらうと、違和感のないヘアスタイルで安心して出掛けられるようになるでしょう。
医療用ウィッグをご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。